臨床より得られたケロイドおよび正常皮膚の真皮におけるアポトーシスの発現をTUNEL染色によって観察した。 方法: 本学附属病院の当科手術で廃棄されるケロイド組織と正常皮膚から患者の同意を得た上で病理組織標本を作成し、HE染色とTUNEL染色で観察を行った。ケロイドに関しては赤色隆起部、白色の消退部、それらの移行部において光学顕微鏡下の比較検討を行った。 結果: 正常皮膚でほとんどTUNEL陽性像が見られ無かった。ケロイドにおいては赤色の隆起部と白色の消退部の間にある移行部で著明な線維芽細胞のTUNEL陽性像が認められ、necrosis(壊死)の所見は無いことからアポトーシスが起こっていると判断される。ケロイドの消退にはアポトーシスが関与していることが推測され、放射線によるアポトーシスの誘導が放射線治療で有用であると考えられる。
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