| 研究概要 |
すでに実験系が比較的確立した露出損傷歯髄組織を対象とする予備的実験を行い,低出力レーザー照射による根尖歯周組織の器質化及び骨形成促進機構を解明する上で基盤となるべき以下の結果を得た。
低出力レーザー照射後,非照射群と比較して早期の段階で露出損傷部を被覆する様に線維芽細胞増生とコラーゲン基質形成がみられた。またコラーゲン基質の一部は石灰化をきたすとともに,その周囲にやや規則的配列を伴った線維芽細胞が出現した。これらコラーゲン基質は経過とともに骨様象牙質へと移行し、象牙芽細胞様細胞の裏装を随伴していた。これらの結果は、低出力レーザーが器質化や硬組織形成を主体とした創傷治癒機転の促進に直接寄与していることを裏付けるものと示唆された。また,経過期間中一貫して毛細血管の拡張・増生やマクロファージ系細胞の出現ないし賦活化を認め,器質化や象牙質様石灰化の促進との関わりが推察されたとともに,今後,本研究課題を遂行・継続する上で参考となる興味深い知見と考えられ,更なるデータを集積し,比較検討中である。
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