唾液腺における末梢型ベンゾジアゼピン受容体の薬理学的特徴について、末梢型ベンゾジアゼピン受容体に結合するイソキノリン誘導体のPK11195の類似薬物である[^3H]PK14105でphotoaffinity labelingを行った結果以下の知見が得られた。 1.[^3H]PK14105によって標識された膜タンパクは、ラット耳下腺、顎下腺、舌下腺、マウス顎下腺、ウサギ顎下腺およびヒト顎下腺においてすべて18kDaであった。 2.動物間で受容体量を比較した結果、すべての動物でKd値がnanomolarレベルの高親和性であり、受容体数は、ヒト>ラット>マウス>ウサギの順に多かった。 3.この膜タンパクのラベリングは、末梢型リガンドであるRo5-4864およびPK11195によって完全に阻害されたが、中枢型リガンドであるRo15-1788、clonazepamおよびODNでは阻害されなかった。 4.ジヒドロピリジン系カルシウムチャネルのリガンドであるnitrendipine、BAY K8644、およびアニオン/カチオン共役輸送阻害剤であるbumetanide、furosemideによっても阻害された。 5.この受容体の特異的結合は、nitrendipineおよびBAY K8644の存在下で有意な親和性の低下が認められた。 以上の結果から、末梢型ベンゾジアゼピン受容体は、ラット、マウス、ウサギ、ヒトの唾液腺において[3H]PK14105で光標識される18kDaのタンパクを有することが明らかになった。
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