MRIを用いた三次元的骨梁形態解析法を確立するために、まず解析に使用するためのMR画像データのサンプリング法について研究を行った。MRI装置には、東芝社製1.5tesla超伝導MRI装置VISART/Hyperを用いた。信号雑音比の高いMRデータを得るための受信コイルとして、四肢用クアドラチャーコイル、脊髄用クアドラチャーコイル、円形サーフェイスコイルなどを比較検討し、踵骨および橈骨は口径が適した円形サーフェイスコイルが、腰椎には脊髄用クアドラチャーコイルが最適であることが明らかとなった。さらに、撮像シーケンスとして、2Dスピンエコー法、2Dグラディエントエコー法、3Dグラディエントエコー法などを比較検討した結果、ピクセルサイズが小さく、スライス厚が1.5mm以下の高空間分解能MR画像データを得るためには、現実的に設定し得る撮像時間の範囲内では、十分な緩和時間により信号強度を稼ぐスピンエコー法よりも、むしろ緩和時間は不十分でも加算回数を増やして信号強度を稼ぎやすい3Dグラディエントエコー法の方が適していることを明らかにした。そして、踵骨および橈骨に関しては円形サーフェイスコイルを用いた3Dグラディエントエコー法による撮像で、実効スライス厚1mm、ピクセルサイズ約200μMの空間分解能を持ち、解析に使用可能な信号雑音比を持つサンプリングデータを得ることができた。 獲得したサンプリングデータは、一旦MRI装着付属のMOディスクにダウンロードし、TARフォーマットに変換した後に再度ストリーマーデーターテープにダウンロードした。このストリーマーテープを冨士フィルム社製CR用ワークステーションで取り込みCR用フォーマットに再変換し、CRワークステーション上での画像処理を可能とした。
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