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1999 年度 実績報告書

ヘリコバクターピロリの口腔内感染と口腔内炎症性疾患への関与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11771172
研究機関国立がんセンター

研究代表者

野崎 中成  国立がんセンター, 研究所・生化学部, 室長 (90281683)

キーワードヘリコバクターピロリ / 感染 / 上部消化管 / 慢性炎症 / 口腔 / 頬粘膜 / 誤嚥 / 喀痰
研究概要

日本人のヘリコバクターピロリ(HP)感染率は高く、胃、十二指腸などの上部消化管における慢性炎症性疾患の原因であるとされている。HPは主として経口による感染経路をとるが、慢性疾患を主とする口腔領域の疾患においてHPの口腔内感染との関与は明らかにされていない。そこで、まずHPの口腔内感染状況を調べることにした。医院を受診した患者の口腔頬粘膜を滅菌綿棒で擦過し、このサンプルからDNAを抽出し精製する。このDNAを鋳型としてHPのUreA遺伝子にプライマーを設定し、この領域を増幅する(First PCR)。First PCR産物を鋳型にして、設定したUreA遺伝子のプライマーの内側にnestedプライマーを設定し、さらに増幅する(Second PCR)。2回のPCRを行うことにより、他の口腔内細菌による非特異的な増幅を防ぐことができる。その結果19検体中13検体(68%)が口腔内感染陽性であった。内視鏡的呼気試験及び生検組織のギムザ染色による検鏡試験による診断から、臨床的にHP感染陽性と診断された群における口腔内感染は7検体中5検体(71%)、HP感染陰性と診断された群における口腔内感染陽性は12検体中8検体(67%)であった。以上のことから、胃HP感染はHP口腔内感染の有無とは相関しないことがわかった(P>0.05)。一方、臨床的診断ではHP感染陰性と診断された群にHP抗体価の高い価(>1.8)を示す例が12検体中11検体(92%)であった。このHP抗体価の高い群で口腔内感染陽性率は11検体中8検体(73%)であった。以上のことから、呼気試験や生検によりHP感染陰性と診断されるがHP抗体価が高い症例で、HP口腔内感染との関連を明らかにし、HP胃除菌後の再感染にHP口腔内感染の有無が関与するか調べる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T. Nozaki et al.: "Sycytiotrophoblastic giant cells in teratocarcinoma-like tumors derived from Parp-disruted mouse embryonic stem cells"Proc. Natl. Acad. Sci.. 96. 13345-13350 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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