研究概要 |
各種歯冠修復用材料(臼歯部用硬質レジン,歯科用陶材,歯科用金合金2種)および天然歯(エナメル質)の,口腔内における咬耗を想定し磨耗傾向を把握することを目的とした,滑走磨耗試験について検討を行った. 1.磨耗試験機の改良 ヨシミツ精密製耐磨耗試験機を予備試験を行いながら改良し,最適と考えられる試験条件を決定した.試験荷重;500g,滑走速度;毎分60往復,滑走距離3mm,滑走回数0〜10万回とし,注水下で試験を行えるよう冶具を製作した. 2.滑走磨耗試験 磨耗試験に用いる試料は,各種形状,寸法の試作を行い,予備実験による検討の結果,被験試料は,厚さ2mmの板状試料とし,滑走運動を行う対合試料は直径3mmの棒状試料(滑走面は半球状)とした.エナメル質を含めた各材料5種類について,それぞれの組み合わせ(計25種類)の試験試料を製作し,現在磨耗試験を行っている.試験後の磨耗量の評価は,表面粗さ形状測定機による磨耗深さの測定により行う. 3.被験試料の硬度 磨耗傾向と硬度の関係について検討することを目的として,磨耗試験を行う前の各資料について,微小硬さ試験機を用いてビッカース硬さ(Hv0.1)を測定した.硬質レジン;約170,陶材;約420,金合金;約220〜250であることがわかった.
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