本年度前期は、Candida albicansのコラーゲンおよびゼラチンへの付着に対する環境因子の影響および付着機構を明らかにする目的で以下の実験を行った。 1.C.albicansのコラーゲン、ゼラチンへの付着に及ぼす環境因子(温度、pHなど)の影響を検討した結果、さまざまな環境因子が関与していることが示唆された。 2.培養時に、EDTAや2価金属イオンなどを添加した実験を行った結果、C.albicansのコラーゲン、ゼラチンへの付着には、インテグリンの関与が示唆された。また、RGDペプチドを用いた実験よりコラーゲン、ゼラチンへの付着には、C.albicansの異なるインテグリンの関与が示唆された。 本年度後期は、以上の結果より、これらの付着に関与するインテグリンの同定実験を行った。 1.コラーゲンおよびゼラチンアフィニティーカラムの作製 2.C.albicansの膜タンパクの抽出 3.抽出膜タンパクのコラーゲンおよびゼラチンアフィニティーカラムの展開 4.SDS電気泳動および銀染色による結合タンパクの確認 以上の方法にて、コラーゲンおよびゼラチンへの結合膜タンパクをそれぞれ数種類得ている。現在、これらのタンパクの精製を行っている。次年度は、引き続き精製を行い、N末端アミノ酸配列決定の実験を行う予定である。
|