炎症性変化のある顎関節滑液中には好中球、リンパ球、単球など血球由来の細胞が滑膜の血管透過性の亢進に伴い、滑液中に滲出していると考えられるが、その役割については不明である。 患者の顎関節滑液中に滲出しているこれら血球由来の細胞が、病態形成に関与しうるかどうかについて現在検索している。とくに顎関節滑液滲出細胞の臨床的意義との関連において、白血球数が変性した関節に多く見られること、関節痛を有する関節に多く見られることなどを見いだした。現在、顎関節滑液滲出細胞においてinducible nitric oxide synthase(iNOS)が生成されているか否かを蛍光抗体法を用いて、確認しようと試みている。 今後さらに検討を重ね、顎関節滑液滲出細胞と関節病態、顎関節滑液、フリーラジカルとの関連について追求していきたい。
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