研究概要 |
日本白色種雄性兎15羽を対象とし、酸素-笑気-イソフルランで全身麻酔導入後、気管切開および大腿動脈、耳介静脈にカニュレーションを行った。その後左開胸を行い、大動脈起始部に超音波トランジット血流計を装着した。さらにオトガイ神経を露出させ、電気刺激装置を装着した。口腔底粘膜上にはレーザードップラー血流計をシリコンパテを用いて固定した。以上の準備を行った後、純酸素+0.7%イソフルランに吸入気を変更し、60分放置した。測定項目は血液ガス、大腿動脈収縮期血圧、脈拍数、大動脈血流量、口腔粘膜血流とした。血圧と脈拍数はポリグラフに連続記録した。呼吸は機械的調節呼吸とし、輸液は乳酸加リンゲル液を50ml/hで投与した。 コントロール値を測定後、10%炭酸ガスを吸入気に混入した。吸入気炭酸ガス濃度は呼気ガスモニターで調節した。吸入炭酸ガス濃度は20分ごとに1,5,10%に変化させた。開胸により呼気ガスモニタではPaCO2の推察が困難なため、各々の炭酸ガス値につき動脈血ガスを測定し、PaCO2およびPaO2を調べた。現在、吸入気炭酸ガス、酸素濃度と血液ガスの関係を算出するべく、データ採取中である。今後の展開として炭酸ガス分圧の違いによる口腔粘膜血流の違い、刺激に対する反応の違いについて検討を行っていく。血液ガスデータはエプソン社製Edi Cubeを使用して集計、分析を行っている。現在上記のプロトコールに基づいて予備実験を行っているところであり、今後、炭酸ガスの鎮痛作用を加えて検討する。
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