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2000 年度 実績報告書

顎関節滑液中のプラスミノーゲンアクチベーター/プラスミン系の動態解明

研究課題

研究課題/領域番号 11771297
研究機関日本大学

研究代表者

酒巻 裕之  日本大学, 松戸歯学部, 助手 (70312048)

キーワード顎関節症 / 顎関節滑液 / plasminogen activator / plasmin / kallikrein
研究概要

Plasminogen activator(PA)/plasmin系はmatrixmetalloproteinasesやprekallikreinを活性化することより,細胞外其質の分解や炎症の進展に関与すると報告されている.本申請では,顎関節症の病態の把握を目的とし,顎関節滑液中のPA,plasmin,kallikrein活性,および炎症性cytokine(IL-1β,IL-6,IL-8)濃度を測定し検討した.
1.PA,plasmin,kallikrein活性:対象は顎関節症患者の治療経過中に上関節腔より希釈法にて採取した滑液118検体で,正常な顎関節を有するボランティアからの13検体を対照群とした.対照群ではすべて検出限界以下であった.対象のPAとplasminとの間に正の相関(r=0.806,p<0.001)を認めた.plasmin活性を認めない検体にplasminogenを加えてassayすると,PA活性陽性の検体ではplasmin活性の上昇を認めたが,PA活性を認めない検体ではplasmin活性の上昇はなかった.一方,plasminとkallikreinの間に正の相関(r=0.407,p<0.001)を認めた.kallikrein活性の低い検体にprekallikreinを加えてassayすると,plasmin活性の有無に関わらず活性の上昇を認めた.以上より,PA/plasmin系は,顎関節症の病態と関与しており,また,その酵素活性以外に前駆体であるplasminogenやprekallikreinの動態も考慮に入れる必要があると示唆された.(Int J Oral Maxillofac surg 2001.in press)
2.炎症性cytokine(IL-1β,IL-6,IL-8)濃度:関節腔内注射・持続灌流療法,顎関節鏡視下手術を行った患者の顎関節滑液(77検体)を対象とした.IL-1β,IL-8の検出率は,24.3%,32.3%で,病態との明らかな関連は認められなかった.一方,IL-6(検出率66.8%)に関して,有痛性顎関節の検体のIL-6濃度は34.85±30.00pg/mlで無痛性の検体(9.23±3.47pg/ml)よりも有意に高い値(t-test,p=0.014)を示していた.顎関節症の関節滑液中のIL-6濃度を測定し検討することは,顎関節症の診断に有用であると示唆された.(医学と生物学2001.142(3)印刷中)

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hiroyuki Sakamaki: "Activities of plasminogen activator, plasmin, and kallikrein in synovial fluid from patients with temporomandibular joint disorders"International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. (in press). (2001)

  • [文献書誌] 酒巻裕之: "顎関節症患者における関節滑液中のinterleukin-6の解析"医学と生物学. 142・3(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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