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2000 年度 実績報告書

口腔粘膜癌の浸潤・転移と接着分子の不活化

研究課題

研究課題/領域番号 11771302
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

榊 敏男  大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (90301647)

キーワード口腔粘膜癌 / 浸潤 / 発癌 / 細胞間接着分子 / カドヘリン / カテニン
研究概要

口腔粘膜癌組織を用いて細胞間接着分子の不活化と浸潤・転移の関連を免疫組織化学的・生化学的に検討した.口腔粘膜癌では癌の分化度によって接着分子の発現性は異っていた.カドヘリンとカテニン両接着分子は高分化癌では細胞膜に強く発現していたが,低分化癌では弱い発現を示し,細胞膜上で減弱あるいは欠失しているもの,細胞質内でび漫性に発現しているものもみられた.生化学的には124kDaのカドヘリン,102kDaのカテニンともに健全粘膜同様に発現するもの,減弱しているもの,あるいは欠失しているものがみられた.両接着分子の発現減弱あるいは欠失は高分化型と低分化型で統計学的に有意差を認めた.
口腔粘膜癌の浸潤様式との関連では,カドヘリン・カテニン両接着分子は,び漫性浸潤型では細胞膜上で発現減弱あるいは欠失し,細胞質内での発現がみられた.両接着分子の発現減弱あるいは欠失は,び漫性浸潤型と非び漫性浸潤型では統計学的に有意差を認めた.ほとんどの癌でカドヘリンとカテニンの発現性は類似していたが,一部の癌ではカドヘリンを発現していても,カテニンを発現していないものもみられた.また,実験的誘発癌モデルをもちいて発癌過程でのカドヘリンを介した接着分子の発現を検討したところ,細胞周期と関連し,発癌機構に関与していることが考えられた.これらの結果は,口腔粘膜癌では発癌過程により接着分子の発現が異なり,口腔粘膜癌の組織構築に細胞接着分子が重要な役割を演じていることが示唆された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 榊敏男: "口腔原発癌の頸部リンパ節転移とカドヘリン-カテニン複合体の発現性"日本口腔科学会雑誌. 48. 447-453 (1999)

  • [文献書誌] SAKAKI T.: "Correlation of E-cadherin and α-catenin expression with differentiation of oral squamous cell carcinorna"Journal of Osaka Dental University. 33. 75-81 (1999)

  • [文献書誌] 榊敏男: "顆粒細胞型エナメル上皮腫の細胞動態と細胞接着能の免疫組織化学的検討"日本口腔外科学会雑誌. 46. 330-335 (2000)

  • [文献書誌] 榊敏男: "口腔原発扁平上皮癌のα-カテニンの発現減弱は予後と関連する"歯科医学. 63. 199-203 (2000)

  • [文献書誌] 榊敏男: "エナメル上皮腫におけるE型およびP型カドヘリンの発現"日本口腔科学会雑誌. 49. 320-327 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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