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2000 年度 実績報告書

萌出から咬合完成期に至る歯牙支持機構の形成過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11771309
研究機関東北大学

研究代表者

畠山 雄次  東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40302161)

キーワードラット / セメント質 / オステオカルシン / 歯周組織
研究概要

緒言:ラットの咬合完成期において有細胞セメント質が明セメント質と暗セメント質に分類されることが報告されている。これらの有細胞セメント質の形成過程を明らかにするためにヘマトキシリンーエオジン染色およびオステオカルシンに対する抗体を用いた免疫染色標本を作製して観察した。方法と材料:生後4週、6週、8週齢のWistar系雄性ラットを用いた。灌流固定後上顎を摘出し、同溶液にて24時間浸漬固定をした。固定後10%EDTA溶液にて脱灰し、通法に従ってパラフィン包埋した。それぞれの試料について水平断連続切片を作製した。各切片についてヘマトキシリンーエオジン染色、オステオカルシンに対する免疫染色を施した。観察に際して上顎第一臼歯遠心口蓋根を観察の対象とした。結果:明セメント質は歯根遠心側に暗セメント質は近心側に出現し、両者は加齢により厚さが増大した。明セメント質に対面する歯槽骨表面は吸収面であり、暗セメント質に対面する骨表面は形成面であった。各週齢の明セメント質は類セメント質と同様に抗オステオカルシン抗体に陰性、暗セメント質は陽性であった。明セメント質表面の細胞は暗セメント質表面の細胞と同様にオステオカルシンを発現していた。考察:歯根遠心側にみられた明セメント質の厚さは加齢とともに増大するに対し、主に歯根近心側にみられた類セメント質の厚みは週齢による変化が認められなかったことと、近心側の歯槽骨表面は骨芽細胞を伴う形成面であり、遠心側は破骨細胞を伴う吸収面であったことから、歯根の生理的移動に伴って厚い明セメント質が形成することを示している。また明セメント質基質および類骨においてはオステオカルシン陰性であり、明セメント質表面の細胞や骨芽細胞では陽性であった。これは明セメント質を形成する細胞が骨芽細胞や暗セメント質を形成するセメント芽細胞と同様に間葉由来石灰化組織を形成する細胞の特性を有することを示している。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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