• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

歯周病時の歯周組織における膜貫通型プロテオグリカンの挙動とその意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11771319
研究機関広島大学

研究代表者

島津 篤  広島大学, 歯学部, 助手 (10274094)

キーワード歯根膜由来線維芽細胞 / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / シンデカン
研究概要

高齢者社会を迎えつつある中、歯の喪失はQOL(Quality of Life)を阻害する重要な問題であるが、残念ながら現在80才の人の平均歯数は4本が現状である。中高年が歯を喪失する原因の一つに歯周疾患(歯槽膿漏)が上げられるが、これらに対する予防法は十分確立されていないため充分な効果を上げていない。
口腔組織において、ヘパラン硫酸は歯肉、歯根膜、歯槽骨の細胞外マトリックスの構成成分であり、歯周疾患において、炎症時の歯周ポケットからの浸出液中にコンドロイチン硫酸鎖や、ヘパラン硫酸鎖が検出されるなど、組織の炎症と密接に関連している。シンデカンは、1988年にBernfieldらのグループによって発見された新規のプロテオグリカンで、ヘパラン硫酸やコンドロイチン硫酸を側鎖にもつ細胞膜貫通型のコア蛋白質である。しかしながらシンデカン遺伝子の研究は日が浅く、ヒト口腔組織において正常および歯周病罹患時の挙動に関して、遺伝子レベルでの動態を調べた文献はない。
今回、ヒト歯周組織から単離した歯根膜細胞培養系を用いて、以下の結果を得た。
1)歯根膜細胞は、2.3kbのシンデカン-2,2.6kbのシンデカン-4mRNAを発現していることをノーザンブロット法を用いて確認した。しかしながら、シンデカン-1mRNAの発現は確認できなかった。
2)歯根膜細胞を長期間培養することによって,分化を誘導することができた。すなわちアルカリホスファターゼ活性が、培養20日まで経時的に増加し、その後は活性レベルを高レベルに維持した。この培養系にてシンデカン遺伝子の発現レベルを検索した。歯根膜細胞が未分化な状態では、シンデカン-2およびシンデカン-4mRNAを高レベルに発現していたが、培養20,25日目では、これらの発現レベルが低下していた。
以上の結果から、歯根膜細胞はシンデカン-2およびシンデカン-4mRNAを高レベルに発現していることが明らかとなった。さらに歯根膜細胞の分化に関連してこれらの発現レベルが変動することが判明した。
従って、シンデカン-2およびシンデカン-4は歯根膜細胞の細胞外基質の構成成分として何らかの役割を果たしていることが推測される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shimazu,A.et al.: "Expression of syndecan-2,-4,and fibroblast growth factor receptor type 1 in human periodontal ligament fibroblasts and down-regulation of these membrane proteins during maturation in culture."Journal of Dental Research. 12. 1791-1799 (1999)

  • [文献書誌] Morishita,M et al.: "Estradiol enhances the productio of mineralized nodules by human periodontal ligament cells"Journal of Clinical Periodontology. 26. 748-751 (1999)

  • [文献書誌] Morishita,M et al.: "Analysis of oestrogen receptor mRNA by reverse transcriptase-polymerase chain reaction in human periodontal ligament cells"Archives of Oral Biology. 44. 781-783 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi