1.実験I 【資料・方法】 1)抜去歯:熟練した口腔外科専門医が抜去した上顎第3大臼歯を患者に実験の主旨をよく説明し、同意を得た上で使用した。 2)抜去された上顎第3大臼歯を無作為に(1)抜去直後のもの20本(2)三次元培養保存を3カ月行なったもの20本(3)-80゜Cにて凍結保存をしたもの20本の3群に分けた。 3)上記の3群をトルイジンブルーにて染色。実態顕微鏡下にて35mmフィルムに撮影し、Mac Scopeにて頬、舌、近、遠心面に残存する歯根膜面積を計測した。 4)三次元培養保存と凍結保存とを行なった群に対してMTT assayを行ない、両保存方法における歯根膜細胞のviabilityを比較した。 【結果】 1)歯根の面積に対する残存する歯根膜の面積比は、平均、抜去直後群41%、三次元培養保存群43%、凍結保存群40%と3群の間に有意な差は見られなかった。 2)三次元培養保存をした群の方が凍結保存をした群に比べ有意に高い吸光度を示した。 2.実験II 【資料・方法】三次元培養保存群の歯根周辺キャリアー材1g中のDNA量を定量した。 【結果】歯根周辺のキャリアー材1g中に平均2.1μgのDNAが定量された。
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