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1999 年度 実績報告書

キラル錯体を相間移動触媒として用いる不斉炭素ー炭素結合形成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11771379
研究機関東京大学

研究代表者

真鍋 敬  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00251439)

キーワードルイス酸 / キラル触媒 / 不斉合成反応 / 界面活性剤 / アルドール反応 / キラル配位子 / 水中反応 / ブレンステッド酸
研究概要

本年度においては、カルボニル化合物を用いる不斉炭素-炭素結合形成反応を水中で行うことを可能とするキラル触媒の開発研究を行った。種々のキラル触媒を合成し、有機合成における最も重要な反応の一つである向山アルドール反応に用いたところ、ビスオキサゾリン型キラル配位子と銅塩との組み合わせを用いたときに、中程度ながら不斉選択性の発現が観測された。特に、銅塩としてドデシル硫酸銅を使用した場合に、本不斉アルドール反応が水中で円滑に進行することが明らかになった。この触媒においては、銅陽イオンがルイス酸として機能することと同時に、ドデシル硫酸陰イオンが界面活性剤として機能し水中に有効な反応場を形成していると考えられる。また、本反応系に触媒量のプレンステッド酸を添加することにより、反応収率および不斉選択性の両者を向上させることに成功した。そこで、各種のブレンステッド酸を用いて反応を検討したところ、カルボン酸であるラウリン酸がもっとも高い不斉選択性を与えた。このブレンステッド酸の添加効果の詳細な機構については現段階では明らかでないが、本反応は、ルイス酸とブレンステッド酸とが協同的に機能する極めて興味深い反応例である。
水中での触媒的不斉合成反応は、近年になって注目されるようになった研究領域であるが、その成功例は極めて少ない。本研究で開発した反応は、キラルルイス酸を用いる水中での触媒的不斉アルドール反応の初めての例であり、本分野に、重要な知見を与えるものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Manabe,K: "A Bronsted Acid-Surfactant-Combined Catalyst for Mannich-Type Reactions of Aldehydes,Amines and Silyl Enolates in Water"Synlett. 1401-1402 (1999)

  • [文献書誌] Manabe,K: "Effects of Lewis Acid-Surfactant-Combined Catalysts on Aldol and Diels-Alder Reactions in Water"Tetrahedron. 55. 11203-11208 (1999)

  • [文献書誌] Kobayashi,S: "Catalytic Asymmetric Aldol Reactions in Water Using a Chiral Lewis Acids-Surfactant-Combined Catalyst"Green Chemistry. 1. 175-177 (1999)

  • [文献書誌] Manabe,K: "Synthetic Reactions Using Organometallics in Water.Aldol and Allylation Reactions Catalyzed by Lewis Acid-Surfactant-Combined Catalysts/Bronsted Acids Systems"Inorg.Chim.Acta. 296. 158-163 (1999)

  • [文献書誌] Manabe,K: "Mannich-Type Reactions of Aldehydes,Amines,and Ketones in Colloidal Dispersion System Created by a Bronsted Acid-Surfactant-Combined Catalyst in Water"Org.Lett. 1. 1965-1967 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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