研究概要 |
α位のエチル化されたアセト酢酸エステルからケトンをキラル補助剤であるシクロヘキサン-1,2-ジオールによりアセタール保護した後、塩基としてLDAを用いてアルキルハライドで不斉アルキル化を行うことにより>93%のジアステレオ選択性でアルキル化体を得ることができた。アルキル化体は、エノールエーテルの除去によりβケトエステル体とし、シュミット転位反応によりジ置換アミノ酸へ変換することに成功した。この手法により、特に高光学純度でαエチルロイシンを合成することに成功した。 αエチルロイシンの絶対配置については、ブチルエチルグリシン((S)-Beg)とのジペプチドを合成しX線結晶解析により行った。αエチルロイシンを含有するヘテロペプチドとしてジメチルグリシン(Aib)および、ジエチルグリシン(Deg)中に導入したペンタペプチドを合成することに成功した。結晶状態のコンフォメーションをX線結晶解析により行ったところ、AibおよびDeg中にαエチルロイシンを含有するペンタペプチドのどちらも310-ヘリカル構造を取っていることが判明した。また、結晶中には、ジアステレオマーの関係にある右回り、左回りのへリックスの両方が存在することが分かった。 溶液状態のコンフォメーションに関しては、IR、CD、HNMRスペクトルの解析により行った結果、Aib中にαエチルロイシンを含有するペンタペプチドは310-へリックス、Deg中にαエチルロイシンを含有するペンタペプチドは、プラナーな構造を取ることが示唆された。以上、α、α-ジ置換アミノ酸の簡便な不斉合成法を開発し、その手法を用いてジ置換アミノ酸含有ペプチドのコンフォメーションを解析することに成功した。
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