研究概要 |
【平成11年度】 本年度の研究計画は,HIV-1PRの自殺阻害機構を解明するために、p2のHIV-1 PRに対する阻害様式の解析することであった。その結果、p2は、組換えHIV-1PRのactive dimer をinactive monomerに解離させることで、組換えHIV-1PRに対する阻害活性を有していた。そこで我々は、このHIV-1PRの自殺阻害ペプチドであるp2を"antidimerin"と銘々することを提案している。現在までにp2が前駆体蛋白質(Pr55)からHIV-1PRによってプロセシングを受けウイルス粒子内に確実に存在していることはMALDI TOF-MSを用いて確認しているので、今後ウイルスの中でも最終的にHIV-1PRのactive dimerがp2によって、inactive monomerにされているのかをMALDI TOF-MSを用いて解析している。また、今回方法論的に進歩した点として、これまでは脱塩操作でcold waterでターゲットを洗浄するというかなりcriticalな方法を選択していたが、某メーカーより発売されたZip Tipという脱塩チップを使えば比較的簡単にサンプル調整を行えることがわかった。この方法を使用してかぎり、サンプル濃度が100fmol/μlのものでも再現が取れるので、これまで塩が混入しているサンプルの測定が困難であったMALDI TOF-MSの測定も比較的容易にできそうである。
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