【平成12年度】 本年度の研究計画は、HIV-1 PRの自殺阻害機構を解明するために、p2のHIV-1 PRに対する阻害様式の解析することであった。その結果、p2は、組換えHIV-1 PRのactive dimerをinactive monomerに解離させることで、組換えHIV-1 PRに対する阻害活性を有していた。そこで我々は、このHIV-1 PRの自殺阻害ペプチドであるp2を"antidimerin"と銘々することを提案している。現在までにp2が前駆体蛋白質(Pr55)からHIV-1 PRによってプロセシングを受けウイルス粒子内に確実に存在していることはMALDI TOF-MSを用いて確認している。さらに、今年度わかったこととして、p2はPr55からHIV-1PRによって最終的に切り出されたのち、HIV-1 PRの活性を阻害することを証明するために、p24-p2のハイブリッドペプチドを作成して検討したところ、p24とp2の部分で確実にHIV-1 PRが切断を行った後、最終的にp2が生じて阻害がかかっていることが確認された。また、PM3法を用いた解析からp2自身もHIV-1 PRに切断される前に、切断部位がα-へリックス構造を有していることが推察され、これらの構造がいかにしてアンフォールディングした後、HIV-1 PRによって切断されて、次にどのような構造をp2自身がとって阻害活性を有しているのか検討しなければならない。
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