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1999 年度 実績報告書

蛋白質のS-アシル化および脱アシル化に関与する新規脂肪酸代謝酵素の検索

研究課題

研究課題/領域番号 11771452
研究機関帝京大学

研究代表者

山下 純  帝京大学, 薬学部, 講師 (80230415)

キーワードアシルCoA / アシルトランスフェラーゼ / パルミトイル化 / CoA / チオエステラーゼ / 分子スイッチ
研究概要

ある種の蛋白質は脂肪酸により修飾されており、N末のグリシン残基にミリスチン酸がアミド結合するミリストイル化や、システイン残基にパルチミン酸がチオエステル結合するパルミトイル化などがある。このふたつのアシル化のなかで、チオエステルを介するパルミトイル化(S-アシレーション)は、その結合が可逆的でS-アシル化および脱アシル化が、蛋白質の機能や局在性を可逆的に調節し、分子スイッチの役割をしていることが考えられている。しかし、これまでS-アシル化および脱アシル化に関与する酵素の性状は明らかでない。様々な研究グループが、脱アシル化に関与するチオエステラーゼの精製を試みているが、酵素の諸性質から、それらの酵素が、はたして本当に、S-アシル化蛋白質の脱アシル化に関与するかは明らかになっていない。いままで同定された酵素が全て、アシルCoAを水解する活性をもっているということに着目して、既知のアシルCoAヒドロラーゼに、S-アシル化蛋白質の脱アシル化活性があるかどうか検討中である。
1、基質蛋白質のひとつとして脳成長円錐画分に濃縮されており、神経軸索の成長に関与しているとされる、GAP-43をもちいた。脳成長円錐膜画分を標識したアシルCoAとインキュベートすると、GAP-43へ放射活性の取込みがみられた。また、GAP-43へアシル基を転移するアシルトランスフェラーゼの細胞内分布を調べると、この活性は膜画分に存在した。さらに、膜画分にパルミトイル化GAP-43を脱アシル化する酵素活性が存在した。
2、これらの現象を再現させるため、基質蛋白質およびアシルCoAヒドロラーゼの発現系を作成中である。これらの酵素と基質の組合せが、成長円錐画分でみられた現象を再現できるかどうか、検討中である。また、基質にH-Ras p21を用いた発現系も作成している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tsuneo Imanaka et al.: "Characterization of the 70-kDa peroxisomal membrane protein, an ATP-binding cassette transporter"J.Biol.Chem.. 274. 11968-11976 (1999)

  • [文献書誌] Tomoyuki Nakagawa et al.: "Peroxisomal membrane protein Pmp47 is essential in the metabolism of middle chain fatty acid in yeast peroxisomes and is associated with peroxisome proliferation"J.Biol.Chem.. 275. 3455-3461 (2000)

  • [文献書誌] 山下純、和久敬蔵: "生物薬科学実験講座、第3巻『脂質[I]、リン脂質』"廣川書店. (1998)

  • [文献書誌] Takayuki Sugiura et al.: "Essential Fatty Acids and Eicosanoids"AOCS Press,Illinois. (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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