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1999 年度 実績報告書

放射線障害の指標となる脳神経機能評価系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 11771477
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

三浦 ゆり  財団法人 東京都老人総合研究所, アイソトープ部門, 研究員 (00216574)

キーワードグリア細胞 / 放射線 / 適応応答 / 酸化的ストレス / 活性酸素 / 細胞増殖 / 脳 / 低線量
研究概要

本年度はまず、グリア細胞の単独培養系において低線量放射線の細胞増殖に及ぼす影響について検討するため、若齢ラット及び老齢ラットの海馬からグリア細胞を培養し、細胞増殖における低線量放射線適応応答について検討した。
細胞はラット海馬より培養し、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)の抗体を用いて免疫染色し、アストロサイトであることを確認した。放射線はx-線を用い、低線量照射後3時間後に高線量追加照射を行った。細胞はx-線を照射してから2日後にコールターカウンターを用いて細胞数を測定し、細胞増殖を調べた。プロテインキナーゼC(PKC)の阻害剤としてcalphostin C、chelerythrine chloride、活性化剤としてfarnesyl thiotrizole(FTT)、1,2-dioctanoyl-sn-glycerol(DOG)を用いた。DNA-依存性プロテインキナーゼ(DNAPK)あるいはフォスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)の阻害剤として、wortmannin及びLY294002を用いた。
低線量x線として10cGy、追加照射として2Gyを照射したとき、若齢ラットのグリア細胞で放射線適応応答が認められた。老齢ラットのグリア細胞では、この条件では放射線適応応答は認められなかった。この結果から、低線量放射線に対する細胞応答は、老化により変化する可能性が示唆された。
また、分子機構について検討するため、種々の阻害剤、活性化剤を用いて添加効果を調べた結果、PKC、DNAPK、PI3K等が細胞内情報伝達に関与している可能性が示唆された。さらに、来年度、神経細胞との混合培養系で実験を進めるため、今年度は神経細胞の培養系も確立した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Suzuki S.: "Theoretical analysis of simultaneous mixed irradiation with multiple types of radiation"Biological Sciences in Space. 13. 238-239 (1999)

  • [文献書誌] Suzuki S.: "Biological effects of mixed irradiation"Space Utilization Research. 16. 27-29 (2000)

  • [文献書誌] Miura Y.: "Non-invasive study of radiation-induced oxidative damage using in vivo ESR"Free Radical Biology and Medicine. 28 (in press). (2000)

  • [文献書誌] Ueda J.: "Oxidation of linoleic acid by copper (II) complexes : Effects of ligand"J. Inorg. Biochem.. 76. 55-62 (1999)

  • [文献書誌] 安西和紀: "スピンプローブの脳への分布"磁気共鳴と医学. 10. 119-122 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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