前年度にエンドトキシン受容体であるTLR4・MD-2複合体がLPSアゴニストであるタキソールの刺激伝達に関わることを明らかにしたが、本年度はTLR4・MD-2複合体の異物認識機構の解明に焦点をあて、研究を継続させた。まず、TLR4・MD-2複合体が異物を認識する機構を解明する目的で、マウスTLR4を発現させたHEK293細胞(293/mTLR4)を作成した。293/mTLR4に、さらに、変異型MD-2を導入してLPSおよびLPSアゴニスト・タキソールに対する導入細胞の応答性の解析を行った。その結果TLR4・MD-2複合体のタキソールに対する認識にマウスMD-2がかかわること、特にMD-2中の22番目のグルタミンが重要であることがわかった。TLR4・MD-2複合体中の異物認識に関わるアミノ酸を世界ではじめて決定する成果を得た。このアプローチにより、今後LPSなど様々な異物に対する認識に必要なアミノ酸を決定できると考えられる。
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