今年度は、(1)放射線技師に対するテレ・ラジオロジーに関する意識調査、(2)ローレンツ曲線・ギニ係数による放射線診療の地域分布、(3)地図情報システム(GIS)を利用した北海道の医療解析、の3点を中心に行った。また、それに付随した関連の研究として、病院情報システムに求められる臨床研究支援機能、ホームページを利用したHIV/AIDS診療・療養情報の提供に関する研究、を行った。 (1)放射線技師に対するテレ・ラジオロジーに関する意識調査 : テレ・ラジオロジー導入効果を予測するため、北海道全域の放射線技師1700名に対して意識調査を行った。その結果、技師の意識と地域医療には密接な関係があることを明らかにするとともに、導入コスト・運用体制などの問題点が明らかになった。 (2)ローレンツ曲線・ギニ係数による放射線診療の地域分布 : ローレンツ曲線・ギニ係数など、社会学・経済学的で用いられている手法を応用して北海道における放射線診療の地域分析を行った。その結果、市町村毎の人口を基準にした分析では、CTなど画像診断機器、医師、診療放射線技師の分布はほぼ一定であったが、放射線治療機器、放射線科医の分布は不均一であった。 (3)地図情報システム(GIS)を利用した北海道の医療解析 : 地図情報システム(GIS)を利用して、高齢者医療を中心とした北海道の地域医療解析を行った。解析の結果、日本海側で高齢化が高く医療水準が低い地域が多いことが明らかになった。また、交通機関と医療機関の関連についてもGISを利用し解析を試みた。
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