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2000 年度 実績報告書

ヒトの性決定に関与する遺伝子の同定とその解析

研究課題

研究課題/領域番号 11771495
研究機関徳島大学

研究代表者

新家 利一  徳島大学, 医学部, 助手 (10311820)

キーワードSRY遺伝子 / 内分泌撹乱化学物質 / 性分化
研究概要

Y染色体上の性決定因子であるSRY(sex determining region on Y)が発見され,それ以降いくつかの性決定に関与する遺伝子が同定されてきた。SRYはDNAに結合して,他の遺伝子の発現を調節することが予想されるが,SRY遺伝子が直接制御する遺伝子は未だ同定されていない。性分化カスケードを明らかにすることは内分泌攪乱物質の研究にもきわめて重要な意味を持つ。
本年度は昨年度に引き続いて性決定のカスケードにおいて,SRYが制御する遺伝子の同定を目指した。ヒトSRYcDNAを強力なプロモーターを持つ発現ベクターpCXN2へ組み,これをヒトembryonal cell carcinaoma由来の細胞株であるNT2/D1 cell lineに導入した。抗生物質G418の存在下で恒常的にヒトSRYを過剰発現している細胞およびpCXN2のみをもつ細胞をクローン化した。性決定カスケードに重要な役割を担っていると考えられるSOX9,SF-1に関してはSRYの過剰発現による発現量の変化は認められなかった。生体内ではSOX9やSF-1はSRY発現以降,男性型の発現パターンを示すが,SRYのみがこれらの遺伝子発現に必ずしも重要ではないということが明らかになった。
またSRYが他のタンパクと共役して標的遺伝子を調節する可能性を考え,酵母Two hybrid systemによってSRYと相互作用するタンパクの同定を試みた。SRYcDNAの全長をGAL4DNA binding domainの下流に接続し,精巣由来のcDNAで作成されているpreyライブラリーをスクリーニングし,14種類の陽性コロニーを得て現在解析中である。SRYの転写に環境ホルモンが影響を及ぼすことも考えられるため,エストロゲンの暴露実験を行ったが,RT-PCRレベルではSRYの発現量の変化は認められなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tomomasa,H: "Pericentric inversion of the Y chromosome of infertile male."Archives of Andrology. 45. 181-185 (2000)

  • [文献書誌] Lee,J.W.: "Y-chromosome compound haplotypes with the microsatellite markers DXYS265, DXYS266 and DXYS241."J Hum Genet.. 46. 80-84 (2001)

  • [文献書誌] Shinka,T.: "A rapid and simple method for sex identification by analysis of a heteroduplex using denaturing high performance liquid chromatography (DHPLC)."J Hum Genet..

  • [文献書誌] Ewis,A.: "Occupational cancer genetics : Infrequent ras oncogenes point mutations in lung cancer samples of chromate workers."Amer.J.Industrial Med..

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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