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1999 年度 実績報告書

血管内皮細胞傷害での免疫学的機序と診断に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11771507
研究機関東北大学

研究代表者

宗像 靖彦  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20271950)

キーワード抗リン脂質抗体症候群 / 抗カルビオリピン抗体 / 補体 / 血栓症 / 血管内皮細胞 / アンチトロンビンIII / プロテオグリカン / 抗血管内皮細胞抗体
研究概要

1)抗リン脂質抗体症候群(APS)は、免疫異常を背景としておこる血栓性疾患の代表である。臨床検査異常として、抗カルジオリピン抗体(aCL)の出現が知られているものの、これが血栓症の発症に如何に関与するのかその詳細は不明である。本研究においては、臓器移植の拒絶反応に見られるような、抗血管内皮抗体による補体活性化に基づく血管内皮細胞傷害機序がAPSにおけるaCLについてものおこりうるのかを追求した。
補体結合性aCL(C'-aCL)のELISA法による測定計の開発に成功した。本測定系にてAPS患者血清中のC'-aCLの存在が、血栓症発現と関連しうること明らかにすることができた。C'-aCL陽性者の血栓症発現率はIgG型aCL(IgG-aCL)陽性者のそれに比して有意に高頻度で、APSにおける血栓症発現に特異性が高いと推定された。実際、血栓症を有する症例におけるIgG-aCLには補体結合能の高いIgG3サブクラスが高頻度に検出され、血栓症を有さない症例のIgG-aCLでは、補体結合能のないIgG4サブクラスの検出頻度が高い傾向が示された。APSにおける血栓症発現に血管内皮細胞障害性のC'-aCLが存在し、その測定の診断的有用性を明らかにした。
2)我々は、血管内皮細胞表現プロテオグリカンのアンチトロンビンIII(ATIII)結合部位(HPS)に対する自己抗体(抗VPS抗体)の存在を報告してきた。我々はヘパリンをATIII結合カラムで精製し、抗原に供することでELIZA法による抗VPS抗体の測定系を開発した。血栓症を有する自己免疫病症例(APS症例も含む)を対象とした測定を行い、本抗体陽性症例群とIgG-aCL陽性症例群との間に有意な相関は認められなかった。抗VPS抗体はIgG-aCL陽性血栓症例とは別カテゴリーに分類される血栓症の指標として診断的に有用である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Munakata Y. et al.: "Detection of Complement-fixing Anti-phospholipid Antibodies in Association with Thrombosis"Thromb. Haemost.. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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