本研究の目的は、リラクセーション技法による介入が、更年期の女性に対して更年期症状の緩和と気分の安定をもたらすことを検証することである。対象は、更年期女性の中から、研究目的に賛同し、自ら参加の意志を表明した40歳から50歳代の女性である。半実験的研究デザインとし、対照群と実験群を各30名とした。 本年度は、対照群30名に心理・生理的な更年期症状の現れ方について3ヶ月間追跡調査した。用いた主な指標は、SMI(簡略更年期指数)、POMS(Profile of Mood States)などである。結果は、年齢的にみると45〜54歳に更年期症状が出現している者が多かった。更年期症状の現れ方は個人差があるものの、「疲れやすい」、「肩こり、腰痛、手足の痛みがある」などの症状が多くみられた。POMSでは、「緊張-不安」「活気」の得点が高かった。対象者のうち、7割以上の者がリラクセーション法に関心があると回答した。 また、次年度の実験群に対する調査に向けて、リラクセーション技法を指導するためのプロトコールを作成しプレテストを実施した。 今後は、実験群30名にリラクセーション技法(漸進的筋弛緩法またはイメージ誘導法)の指導を行う予定である。皮膚電気抵抗(GSR)、身体感覚尺度によりリラックス反応を評価し、かつ、SMI、POMSにより更年期症状の緩和の程度および感情の変化を評価する。なお、リラクセーション技法は、本人の興味と関心により上記の二技法より選択し決定する。
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