本研究の目的は、在宅酸素療法実施者の安定した長期療養管理に資するため、これまでに申請者が示したDIHOT-K(Desaturation Index for Home Oxygen Therapy by Kamei)を用いて、療養管理区分を明らかにすること、およびDIHOT-K療養区分別に在宅酸素療法実施者を追跡し、生活の経過、転帰、生存率などから管理区分の妥当性を示し、以上から長期在宅酸素療法実施者の在宅ケアに用い得る療養管理区分を開発することである。 対象は、1994年までに24時間酸素飽和度測定によるDIHOT-Kを評価した者50名で、これを追跡コホートとし、今回も同意が得られた者を調査対象とした。 方法は、在宅酸素療法管理指標(DIHOT-K)管理区分1〜5段階を設定し、各療養管理区分ごとに追跡し、対象者の生活状態などの情報を分析した。 その結果、DIHOT-K管理区分1(最も良い管理状態)の対象者は、自覚症状スコア、痰の量、Borg Scale Scoreの程度が管理不良群よりも低いことが明らかになり、管理区分4の対象者では男性で肥満傾向が示され、管理区分5(最も悪い管理区分)の対象者では自覚症状の程度が最も重いことが示された。従って、DIHOT-K管理区分を5段階と設定したことは妥当であることが示唆された。以後の経過については現在も観察中である。
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