研究概要 |
本研究では、分散・拡大した地域看護実習に対してより効果的な教育方法を開発することを目的としている。平成11年度は本学と臨地実習地3地点を結び、ISDNを利用したテレビ電話による遠隔カンファレンスを試み、次のような結果が得られた。 1.カンファレンスの実用性として,音声の聞きやすさ,画面の見やすさは良好と評価され,内容理解も図られた。教育的コミュニケーション手段としての働きを行うのに十分な機能を備えており,操作の簡便性についても,良好と評価された。今後の普及・拡大を考える上で期待でき,実用的である。 2.運用の工夫点は,機器を常時受信可能にする,学生が操作を習得する,会話スペースの確保の3点である。 3.時間と距離の物理的な制約が解消されることの効果は,学生個人の限られた体験を最大限共有できること,教員による形成的評価が可能になること,現場の人的資源が活用できること,学生の主体的な準備に活用できることの4点である。 4.新たなメディアとしての関心も高く,教育方法としての期待が持たれる。 これらのことから,テレビ電話による遠隔カンファレンスの機能・有効性は実用に適しており,地域看護実習に取り入れ活用していくことは,実習方法・学習支援の一つとして有効な手段となり得ることが示唆された。
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