研究概要 |
1.対照群のデータの収集準備 (1)父親自身が父親から受けた養育態度を測定する用具であるPBI日本版をマークシート化した。 (2)父親の子どもに対する養育態度の自己評価,および児童生徒が受けている父親による養育態度を測定する用具であるTK式診断的新親子関係検査・親用,子用をそれぞれ著作権者,出版社に許諾を得てマークシート化した。 (3)一定期間中に分析に耐える程度の神経症患児の発症例数を調査対象から得ることが極めて困難であることが予想されるために,調査対象者である子ども全員にGHQ28日本版による神経症のスクリーニングを行って神経症水準患児を同定し,神経症の程度を得点化して,非神経症群の子どもと比較検討することとした。 このため,神経症者をスクリーニングするための用具であるGHQ28日本版を著作権者,出版社に許諸を得てマークシート化した。 (4)小学5年生160名,中学2年生122名,計282名について予備調査を行い,PBIと田研式親子関係診断検査の結果には統計的に有意な相関が存在し,非神経症群では父性の世代間伝播があることが明確になった。この予備調査の結果は学会で報告した。 2.神経症患児のデータの収集と分析 これまでに外来受診した25組の神経症患児について,父親の子どもに対する養育態度の自己評価を親子関係検査・親用を用いて測定し,あわせて子どもが受けている父親による養育態度を親子関係検査・子用を用いて測定した。現在,神経症群の親子関係について集計,解析中である。
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