研究概要 |
昨年の病院ボランティアニーズ調査結果をもとに,保育士職員が配置されていない病院ボランティア未導入の小児科病棟において導入から活動開始のプロセスに病院側スタッフとともに参画し,評価試案項目を作成した。病院ボランティア受け入れに関わる責任者および部門の了承後,看護部,医師,看護婦,担当事務から構成される小児科病棟での病院ボランティアワーキンググループで,具体的準備を行った。活動は,ニーズの高かった季節の行事を年に5〜6回と,遊びや保育,病棟飾りつけをプレイルームで週1回1時間から始めた。小児看護には本来保育が含まれ,ボランティアが看護婦の仕事を奪うものではないという考えから,内容により看護婦とボランティアとの役割分担を決めた。看護婦とボランティア応募者は,看護学,教育学を専攻する大学生,保育士または幼稚園教諭の有資格者を含む育児支援サークルメンバー,現職保育士および一般の方を含め32名であった。ボランティアメンバーへは,病棟の特性,職員の役割,ボランティアの役割,子どもの発達の特性,入院生活,活動時の患児,家族への配慮事項としての安全,感染予防,プライバシーの保護,病院ボランティアの基本的マナーと健康管理等についてオリエンテーションと健康診断を行った。昨年の調査結果からもボランティアとの情報交換に対する看護婦の意識は高く,活動時間前後に活動内容や留意事項,意見等の相互の情報交換を行うとともに,活動と患児の参加状況を総括できるようにボランティアと看護婦の日誌の項目を作成した。 小児科病棟における病院ボランティア活動評価試案項目として,活動内容と経過,参加者の反応や変化,ボランティアの活動状況,認識や変化,看護婦の関わりと認識,活動上の効果および問題点,意見や要望を挙げ,活動の効果的な継続と看護者の連携の観点から考察するため,1年後の評価をする予定である。
|