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2000 年度 実績報告書

日本人の対人関係の特徴をふまえたがん患者と家族への継続ケアのあり方に関する研究-化学療法を受けるがん患者への心理的サポートと教育に焦点を当てて

研究課題

研究課題/領域番号 11771568
研究機関石川県立看護大学

研究代表者

水野 道代  石川県立看護大学, 看護学部, 助教授 (70287051)

キーワードがん看護 / 化学療法 / 質的研究 / 希望 / 家族
研究概要

本研究の目的は、日本人の対人関係の特徴をふまえた、がん患者とその家族への継続的なケアのあり方に対する理論的基盤を構築するために、彼らが入院および入院治療終了後に医療の場や療養の場でおこなう、対人関係の構造とその意味を質的アプローチによって導き出すことにある。まず、がんという病名が患者およびその家族の対人関係に与える影響をがん患者の遺族へのアンケート調査によって明らかにし、オスロで発表した。病名を「腫瘍」と伝えられた患者の遺族が、「がん」「その他」の病名として伝えた患者の遺族に比べて病名告知に対する納得度が有意に低く、病名に対する患者の認識は家族に強く影響すしていた。次に、自分が造血器のがんであることを知り、常に死を身近に感じながら化学療法を受けてきた患者へ面接調査を行い、彼らの希望の構造を帰納的に明らかにした。彼らは「治療を終えないとどうにもならない」状況のなかで、「生きたい」という希望を持ち続けることができていた。「生きたい」いう希望には「生きて何かを実行したい」「生き残りたい」「自分を見つけたい」などの意味があり、前者2つ(特に、生き残りたい)には家族の存在が強く影響していたが、「自分を見つけたい」ということに関しては、他者が関与することを拒む現状があった。看護婦には「日常性」を与えてくれる働きかけを求めていた。この調査の一部は日本看護科学会学術集会で発表した。また、看護をする側の状況を把握するために、終末期患者の家族に焦点を当てて、看護婦の臨床判断に関する聞き取り調査を行い、日本がん看護学会で発表した。
患者の病名や病状に対する認識は、患者-家族間の対人関係に強い影響をもたらし、また、患者が求める対人関係のあり方は、患者が必要とする援助の内容により異なっていた。これらのことを踏まえた看護援助の重要性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mizuno,Michiyo: "Influence of the Decision to inform the results of cancer diagnoses on Bereaved Japanese Families"11th International Conference on Cancer Nursing, Venue ; Oslo. 70 (2000)

  • [文献書誌] 水野道代: "長期施設療養を続ける造血器がん患者の希望とその軌跡の構造"第20回日本看護科学学会学術集会講演集、於;東京. 38 (2000)

  • [文献書誌] 三須久美子,水野道代: "終末期患者の家族を援助する看護婦の臨床判断と影響要因"第15回日本がん看護学会誌、於;横浜. 15:(特別号). 155 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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