本研究の目的は、critical swimming velocityの概念を応用し、単位距離50mのインターバルトレーニングにおいて、1)負荷泳速度を一定にし、休息時間を変化させた場合、疲労困憊に至ることなく運動の繰り返しが可能となる最大レベルの平均泳速度(interval training critical swimming velocity)を簡便的に決定し、それを基にインターバルトレーニング疲労性閾値の決定を試みる、2)数段階の負荷泳速度においてinterval training critical swimming velocityを決定し、負荷泳速度と休息時間の関係において、インターバル疲労性閾値曲線の決定を試みることであった。 1)各休息時間における総泳距離とインターバルテストの持続時間の間には、高い正の相関関係がみられ、著しく直線の関係にあることが判明した。この結果は、critical swimming velocityの概念がインターバルトレーニングヘ応用可能であることを示唆したものである。 2)疲労困憊に至ることなく、その運動を繰り返し行うことのできる休息時間が、1)より推定でき、その休息時間は、運動後の血中乳酸濃度および運動前後の心拍数の変動からも、その妥当性が示唆された。 3)critical swimming velocityの概念をインターバルトレーニングに応用すると、簡便的かつ非観血的に負荷泳速度と休息時間の関係からみたインターバルトレーニング疲労性閾値曲線を決定することが可能であった。 4)インターバルトレーニング疲労性閾値曲線は専門とする距離種目によって異なる傾向を示した。相対的に等しい負荷泳速度における休息時間は、短距離タイプの選手ほど長く、長距離タイプほど短いものとなった。
|