研究概要 |
研究計画:本研究では,血流遮断を用いることなく,個体間の酸素動態を比較できる評価方法を確立することを目的とする。健常成人男性20名を対象とし測定を行う。磁気共鳴分光法(NMR)と近赤外分光法(NIRS)による測定については,前腕屈筋群を対象とし,同一部位測定を行う。同一部位測定のために,NMRのセンサーである表面コイルの直径を3cm,NIRSの送受光ファイバー間の距離を1.5〜4.0cmとし,測定深度を皮膚表面より1〜2cmとする。 安静時筋酸素消費量の測定は安静5分間、動脈血流遮断を10分間行い、NMR測定においては筋内クレアチンリン酸(PCr),ATP,pHの変化をモニターし、NIRS測定では筋組織内酸素化ヘモグロビン,脱酸素化ヘモグロビン,総ヘモグロビンを測定する。最大随意収縮力の10,20,30,40%強度,4秒に1回,5分間の動的運動時の測定も行う。 研究成果:Yamamotoら(Proc.SPIE,1998)の脂肪層の影響を除外した酸素化レベルの補正式を用いてNIRSにより評価した各個人の安静時酸素消費量(Deoxy-rate)を算出した結果、平均0.22ml/100g/minであった。また、運動直後のPCrの回復速度(運動中の酸素消費を反映)と運動時のNIRSにより測定した酸素消費量は直線関係(r=0.61)が見られた。
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