今年度は、肥満の改善法を調べるための基礎実験としてまず被検者の体組成および体成分測定を実施した。被検者は、若年女子、男子161名(女子140名、男子21名:平均年齢18.7±2.13歳)を対象とした。測定項目は、形態測定(皮下脂肪厚・周囲径)、生体検査(血圧・加速度脈波)および体成分検査であった。体成分検査は、高精度体成分アナライザーを用いて、体の構成成分(体水分・蛋白質・無機質・脂肪)、筋肉量・体脂肪率そして体液のバランスなどをインピーダンス法により左右の上下肢と体幹別に計算式に当てはめて求めた。その結果(1)女子の体水分比率において、50.7±3.30%(平均値±標準偏差)は基準範囲内(50〜60%)であったが、基準範囲以下のものが高率であった。(2)肥満度はBMIが男子20.1±1.90、女子20.8±2.30であり、ともに基準範囲内であるが男女とも痩せぎみであるのに対して、体脂肪率は標準、無機質は低い傾向にあったことから、いわゆる隠れ肥満傾向にある可能性が示唆された。
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