本年度は、主に、成2年国勢調査の地域メッシュ統計と平成7年国勢調査の小地域集計のデジタル地図データをGIS(ArcView)に取り込み、ジオデモグラフィクス構築のための基礎的な作業を行った。その具体的な内容は、以下のようである。 1.欧米諸国におけるジオデモグラフィクス研究のレビュー 北米と英国において先進的に進められているジオデモグラフィクス研究の文献や資料を収集するとともに、インターネット上の商業的ジオデモグラフィクスの実態を調査した。 2.全国の1km基準メッシュ・500m分割メッシュのGIS化 平成2年国勢調査、平成3年事業所統計などの地域メッシュ統計から、全国のメッシュマップをArcView上で表示するシステムを構築した。 3.全国の町丁目のGIS化 平成7年国勢調査の小地域集計から、全国の町丁目単位のGIS化を試みた。属性データとしては、約3000項目のものを各都道府県ごとにdbfファイルに変換するプログラムを作成した。 4.京都府と滋賀県を事例とした試験的ジオデモグラフィクスの構築 京都府と滋賀県に関しては、2)のプログラムを用いて、国勢調査の3000変数をGIS上に表示することができるシステム開発を行った。また、現在、このデータを用いて、町丁目もクラスター分析を行い、地区類型の指標を構築している。 来年度は、全国約20万以上の町丁目を対象にクラスター分析を行い、全国データに基づいたジオデモグラフィクスの構築を行う予定である。
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