対象フラボノイドアグリコン(ミリセチン、ケルセチン、ケンフェロール、ルテオリン、アピゲニン)のHPLC分離を検討した。逆相力ラム(¢4×250mm)を用い、力ラム温度40℃、流速0.6ml/分で、メタノールと10mMリン酸溶液の直線グラジエント方式(メタノール濃度45〜55%、45分間)で、ミリセチン(t R=11.50分)、ケルセチン(19.34分)、ルテオリン(22.83分)、ケンフェロール(30.69分)およびアピゲニン(33.31分)の順で完全に分離ができた。また、フォトダイオードアレイ検出器の適用によって、より正確な同定を可能にした。検量線を作成した結果、各成分の濃度1〜30(mg/l)と面積値との間には、相関係数0.997〜1.000の良好な直線性が得られた。 次に、抽出条件を検討した。溶媒を100%メタノール/1M塩酸とし、ケルセチン配糖体を高濃度含むタマネギをモデルとした。その結果、12時間抽出後、90℃、30分間の加水分解処理で、1600mg/kg乾物量のケルセチン含量を得た。加熱処理以前はケルセチンの生成は全く観察されなかった。50%メタノール、抽出時間24時間の場合、ケルセチン生成量は、24%高い2406mg/kg乾物量を示した。このため抽出条件は50%メタノール、24時間と設定した。 塩酸濃度を1.0M、1.2M、1.6Mとし、タマネギをモデルに加水分解条件を検討した。タマネギ由来フラボノイドを、90℃で5〜120分間酸加水分解した。1.0M塩酸の20分間で、最大値2406mg/kg乾物量を得た。いずれの条件下でも、生成したケルセチンは加水分解時間の経過とともに分解されることが示唆された。また、別の実験から加水分解反応は1次反応と考えられ、糖の結合位置により反応速度がことなることが明かとなった。
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