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2000 年度 実績報告書

AMSによる古代漆の炭素14年代測定

研究課題

研究課題/領域番号 11780106
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

坂本 稔  国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (60270401)

キーワード炭素14年代 / 漆 / 土器 / 木製品 / 歴史 / 考古
研究概要

1)土器片に付着した漆の炭素14年代
縄文時代から古墳時代にかけての遺跡から出土した土器に付着した漆片を採取し,炭素14年代を測定した。その結果は,各遺跡の考古学的な見地と矛盾せず,漆片が遺跡の時間情報を与えるものとして有用なことが明らかになった。しかも,加速器質量分析計(AMS)による測定では必要な試料量が数ミリグラムと微量で済むことから,炭素14年代測定の適用範囲が広がることが期待される。
2)木製品に付着した漆の処理
木製品に塗膜状に付着した漆片について炭素14年代測定を適用すべく,化学処理による試料の洗浄を行った。しかしながら,漆液が木胎にしみ込んでいる例が多く,また目止めのために木胎に無機物と思われる物を塗布してあると考えられる試料もあり,漆だけを採取することが難しい。塩素で木胎を漂白しセルロースとして除去する方法は,同時に漆も侵されるようである。化学処理各段階の試料の炭素14年代を測定することで,より実効性のある処理法を検討中である。
3)成果の公表
2000年6月にイスラエルで行われた第17回放射性炭素国際会議,および2000年7月に行われた第17回日本文化財科学会大会で成果を公表した。島根県夫手遺跡から出土した土器に付着した漆片は4825BC〜4745BC(68%信頼限界)と測定され,日本列島最古の漆であると確認された。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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