研究概要 |
本研究の初年度にあたる平成11年度は,STS教育の体系的評価法の確立のために不可欠な,今まで各国で行われてきたSTS教育カリキュラムや評価法を収集することを中心に研究を進めてきた。具体的には,カナダ,ブリティッシュ・コロンビア州とオーストラリア,ニュー・サウス・ウェールズ州,ビクトリア州に赴き,下記の研究者を訪問し,資料の収集に当たった。 カナダ Jim Gaskel(University of British Columbia,Canada)他 オーストラリア Peter Fensham(Monash University,Victoria,Australia) Dick Gunstone( 〃 )他 中でも,Program for International Student Achievement(PISA)に携わっているFensham氏の理念は,世界規模で行われてきた従来の理数科教育試験のそれとは一線を画すものである。PISAは,我が国でも実施準備が進められているが,科学技術リテラシーに対する理念が従来のものと全く異なるため,我が国の児童・生徒の結果は,予想をはるかに下回るものとなるであろう。こういった外圧を契機に,目標と評価法からカリキュラムに変更が加えられるという歴史的事態が近々生じると思われる。 本研究の最終年に当たる次年度は,本年度収集した資料に基づき,STS教育の体系的評価法を具体的に作成・提案する。
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