研究概要 |
「総合的な学習の時間」に関して,(1)原理的考察,(2)実施プランの提示を行った。 (1)原理的考察としては,総合学習を内容構成原理(「知的-情意的」分類軸)と学習方法原理(「言語・論理的-体験的」分類軸)から類型化し,教育課程に位置づけることを試みた。また,この特徴とも関連して,「総合」の意味を,A)全体,B)統合,C)補完として整理し,学習の「入口」「出口」「特設」として設定される「総合的な学習の時間」のあり方を示した。 (2)実施プランとして,上記「入口」に「ふるさと」,「特設」に「いのち」,「出口」に「わたし」という課題を対応させ,「ふるさと」「いのち」「わたし」の総合学習プランを,茨城県内の学校に提示した。これは,教師が提示するテーマでの共通学習を主とする「ふるさと」(全体・入口,地域の実態に応じた課題),教師が提示するテーマを子どもが選択学習する「いのち」(補完・特設,総合的・現代的課題),自己実現・自己表現を目的として子どもが課題を設定する「わたし」(統合・出口,子どもの興味・関心)という,学校段階・学年進行や学習進度に応じた,総合学習の全体計画である。 さらに,その実現のための具体的方策として,学校研修組織の改善提案(教育課程研究部,総合学習研究部の設置提案,「学校評議員」との連携)や地域教材の発掘,地域人材の活用(ボランティア人材バンク),ティーム・ティーチングの推進,教育課程の弾力化(1単位時間の弾力的運用,ノーチャイム),空き教室の利活用等を提案した。これは,地域に(開),教師が(拓),学習を(啓),「ひらく」という「ひらかれた学校」づくりの視点の提示でもある。 平成11年度は,以上の理念・実践方策を研究し,試行した。
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