研究概要 |
本年度は,企業情報システムの変容過程とその背景や影響を研究調査し,その分析結果に基づいてイントラネット構築体験システムを開発する意義を考察した。そして,同システムの企画・設計および一部構築作業をおこなった。 まず,企業におけるイントラネットの導入と活用の現状分析を文献研究と実態調査によっておこない,イントラネット環境ではそれを構築・運用する専門スタッフと実際に利用する業務スタッフとの境界が融合化しつつあることを明らかにした。つまり,イントラネットの下では営業や購買,会計などの業務スタッフにも情報技術への造詣が少なからず求められているのである。したがって,そこから生まれる情報化人材ニーズに適切に応えることのできる人材を育成する情報処理教育が必要になるといえ,本研究を遂行する意義を確認した。 つづいて,このような研究成果に基づいてイントラネット構築体験システムの企画・設計作業をおこない,イントラネットの基本的な構成技術と特徴について検討した。すなわち,イントラネット技術の進歩は目覚ましいが,その基本的なアーキテクチャはほぼ安定期に入ったとみてよく,ここでは学内に本研究用ネットワークを構築し,サーバとして運用するコンピュータの初期設営までを達成した。また,これらネットワークおよびシステムの構築・設定作業自体が本研究の主眼である体験学習の一環を意味しているため,学生から若干名の参加者を募り協調学習(cooperative learning)の形態をとりながら進めた。 なお,イントラネット構築体験システム全体の具体的な構築および各種ネットワークソフトウェア等の詳細設定は,引き続き次年度におこなう計画である。
|