本研究では、中等教育社会科の地理的分野において、研究者が行う地域分析と、その考察を積み上げていく真性の活動過程を導入した指導法を検討し、その教材として、生徒が地理情報を収集、整理し、考察を行ったものを情報発信できる3次元CG地図帳を開発する。 平成11年度(初年度)においては、インターネットで配信可能な、3次元仮想空間地図システムの設計と開発を行った。本システムは、サーバ側に日本の20万分の1と2万5千分の1の地形図データベースを用意し、クライアントが必要な図葉を選択すると、サーバから転送されたVRML記述の3次元モデルがブラウザ上に表示される仕組みになっており、生徒は、ゲームパッドとマウスにより自主的に視点を変えて見ることができるようになっている。経緯度の位置情報を指定し、調査地域についての情報をカテゴリー別に蓄積し、閲覧できる機能を設け、地理的事象を地図上に適切に表現するための学習環境を用意した。また、3次元の地形情報に、平面を付加し、JAVAプログラムで平面を上下させることで、地形図上の等高線との照合学習に利用する等、地形情報を利用したシミュレーション機能も付加し、地図から意味ある解釈を引き出すための訓練を行う学習環境を用意した。管理者(教師)は、課題をデータベースに登録することで、管理者間の情報共有ができる。また、課題に対して生徒が登録してきた情報をリアルタイムに一覧表示し、状況に応じた対応が図れる機能を用意した。
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