研究概要 |
1.アクションリサーチの特徴 アクションリサーチは,1940年代にKult Lewinによって「研究(research)」「実践(action)」「訓練(training)」の三つの柱を打ち立て,様々な集団における知見の実践過程の相互のやり取りを示したことが最初である.そのことを根底に,今日では産業や経済,臨床場面や教育場面等で幅広く活用されていることを調査できた.またそれらの調査等から,具体的な円環的モデルとして整理することから,アクションリサーチでは,対象となる集団や社会組織そのものの抱えている問題を中心に見据えて,研究者および同僚が徹底的に問題解決にあたることが最大の特徴であることが明らかとなった. 2.教育場面でのアクションリサーチ これまで教育方法として取り組まれたアクションリサーチ研究は,研究者が実践者を兼ねるという設定がほとんどであった.その為,対象クラスの授業改善には円環的な解決が結果としてもたらされているが,逆に狭い組織だけでの問題解決だけに留まる可能性もある.そんな中で,第三者的な研究者が同僚と同じスタンスで授業に寄り添う実践を取り組んだ例を参考にしながら,教師の変化と同僚の変化,そして,切実な課題自体の解決がどのように変容していったのかを,いま,丁寧に考察しているところである. 3.次年度の見通し 新たな体育授業を対象とした実践をできる限り計画し,教師に寄り添った実践で明らかとなったものに加えて,アクションリサーチの特質と有効性を明らかにすることで,方法論的な役割を探っていくつもりである.
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