<研究の目的> 指示詞、接続詞、ボイス(特に受身)、省略、語順の変更など、談話・テキストレベルで問題となる文法現象について、学習者にも使いこなせる形で記述された文法参考書を開発すること。 <研究の進捗状況> 平成11年度は、記述の基礎となるデータの収集と、最終的記述の前段界として、日本語教師を対象とする文法参考書、及び、日本語学・日本語教育に関心を持つ学生を対象とする日本語学の解説書の執筆を主に行った。前者の成果の一部は、第10回第二言語習得研究会全国大会(1999年12月。於:京都外国語大学)において口頭発表し、内容を一部改めた上で現在論文化しているまた、後者の成果は『初級を数える人のための文法ハンドブック』(共著。仮題。2000年10月出版予定)として発表する予定である。また、1999年3月に発表した『ことばのしくみを考える』(一橋大学留学センター教育研究シリーズ2。単著)の内容を改訂した『考える日本語文法』(単著。仮題。2000年9月出版予定)も同様の問題意識の下に書かれたものである。 <平成12年度の予定> 平成12年度は上述の研究成果を受けて、日本語学習者を読者とする文法書の記述を行う。まず、上半期に試行版を作成し、それを一橋大学留学生センターなどの教育機関において試用し、改訂を加えた上で、文法参考書として公開する予定である。
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