研究概要 |
今年度に行った研究によって得た成果は以下の通りである. 1.特殊なBIB計画として,directed triple system,Mendelsohn triple systemを取り上げrotationalな性質を持つものの存在の為の必要十分条件を初めて明らかにした. 2.1997年から取り組んでいる分解可能性(resolvablility)を持ったcyclic Steiner 2-designの存在と構成法の発展として,それらの特殊形であるcyclic Mendelsohn triple systemについても同様の性質を持ったもの存在と構成法を示した.更に会合数が1及び2のとき,点の数が100以下のものについて初期ブロックのリストを与えた. 3.2の研究と同じ出発点から,BIB計画の特徴を更に一般化したquasiframe(group divisible design の一種でsemiframeを含む)の概念を定義し,巡廻的かつ分解可能なquasiframeの再帰的構成法を与えた. 4.2つのBIB計画からなるbalanced bipartite block design について,射影幾何とα-resolvable BIB計画を使った構成法を与えた.更にこの研究を進めるにあたり,現在ブロック数4のときに限定して,group数2の2つのアソシエーションを持つgroup divisible designの存在という同値問題に置き換え,台湾のFuとともにグラフ分解(Graph Decomposition)の手法を用いて存在の為の必要条件の十分性の証明を行っているところである.
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