研究概要 |
研究計画の概要において,以下のように本年度の研究計画を2年計画の準備的な研究として設定した.つまり,1)非正規母集団からの標本相関係数の分布のエッジワース展開を計算する数式処理システムREDUCEプログラムのワークステーションへの移植,ならびに,2)非正規母集団からの標本相関係数のブートストラップ分布を計算するCプログラムのワークステーションへの実装,を並行して進めることである. 1については筆者の予想「2次のエッジワース展開による近似とブートストラップ法による近似とが一致している」には修正が必要であることがわかった.その修正を加え,2もそれに並行して進めているところである.以上のように本年度の計画は1・2ともにほぼ順調に達成できたが,研究成果として公表するには現在至っていない. しかしながら,研究課題と関連する分野で成果をまとめることができた.ひとつめの論文では,エッジワース展開との関連が深いzonal多項式の計算を効率よく行うためのアルゴリズムを提案した.ふたつめの論文では,(多元の場合も含めて)分割表上のMarkov Chain Monte Carloを実行するための代数的道具立てを示した.
|