本申請研究の目的は、マウスデバイスという標準的な入力装置を対象とする直接操作ではなく、モーションキャプチャーシステム等を用いた身体動作の直接操作により3次元仮想空間内での種々の活動が行えるようにするための機構を明らかにすることである。現実世界に存在する種々のデバイスを、ソフトウェア部品の組合せ合成のみにより構築可能とするためのソフトウェアアーキテクチャを明らかにする。これにより、部品の配置と組合せ方により種々の身体動作を理解する仮想的な入力デバイスの構築が可能であると考えられる。 平成11年度は、(1)仮想入力デバイスの基本的なアーキテクチャを考え、それをインテリジェントボックスシステム上に実装する。さらに、(2)いくつかの簡単な応用例について評価実験を行い問題点の検討・解決を行う計画であった。(1)については、センサーオブジェクトと可動部品の組合せ方により、種々の身体動作の動きを理解する仮想的な入力デバイスを構築できることを提案し、この考えに基づき、インテリジェントボックスシステム上に実装を行った。(2)については、車のステアリング・ホイールの機能をもつ仮想入力デバイスとアクセル・ペダルの機能をもつ仮想入力デバイスを構築し、カードライビング・シミュレーションを対象にして操作性についての評価実験を行い、問題点の検討を行った。また、仮想空間内をウォークスルーするための仮想入力デバイスを構築し、操作性についての評価実験を行い、問題点の検討を行った。さらに、モーションカプチャーシステムとしてデータグローブを用いた場合の、物を掴み移動するといった動作について、実装および評価実験を行い問題点の検討を行った。
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