【11年度の研究実績】 平成11年度においては、次のような成果をえた。 《動的分散ライブラリ機構のモデル化へ向けた環境λ計算の拡張》環境λ計算を動的分散ライブラリ機構のモデル化に適用するのであるが、そのために、環境λ計算に対して若干の機能拡張が必要になる。それに関連して、拡張された環境λ計算の理論的性質を解明した。 《環境λ計算のプロトタイプ・システムの作成》環境λ計算は、ネットワーク分散型ライブラリ機構をモデル化するための基礎的な計算体系である。本研究を進めていくにあたり、比較的簡単なプログラムによりネットワーク分散型ライブラリ機構を記述・実行してみることが重要となる。そのために、本年度においては、「環境λ計算のプロトタイプ・システムの作成」に取り組んだ。 《実行時ライブラリローディング機構のモデル化》実行時ライブラリローディングは、Javaの動的分散ライブラリを可能とする主要な機構である。環境λ計算による実行時ライブラリローディング機構のモデル化に取り組んだ。 《動的分散ライブラリ機構に関する研究の調査》これまでにおこなわれてきた動的なライブラリローディングに関する研究やネットワーク分散型ライブラリに関する研究を理論的な側面と実践的な側面の両面から、全般的な調査(サーベイ)をおこなった。それにより、動的分散ライブラリ機構について、ファーストクラス環境を用いてモデル化できる部分とそうでない部分を明確化した。
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