近年、多くの情報がネットワークを介してやりとりされているが、Javaのように、広域ネットワーク(インターネット)を介してバイナリ・プログラムコードをやりとりすることを想定したプログラミング言語が注目を集めている。このようなプログラミング言語においては一般に、プログラムのオブジェクトファイルやライブラリファイルがネットワーク上に分散して置かれていて、プログラム作成者や使用者以外の者が作成したものを使用することが多い。また、ネットワーク上から入手するために、そのようなファイルのセキュリティの確保が課題となっている。動的分散ライブラリ機構(とくに実行時ライブラリローディング機構)の基礎理論の確立とその理論に基づいた実現手法の提案が望まれている。本研究においては、ファーストクラス環境をはじめとする自己反映的な計算機構にもとづく、動的分散ライブラリ機構の基礎付けを目的とした。そして前年度の結果を受けて、動的分散ライブラリ機構のモデル化に取り組んだ。また、合流性などの基本的性質が、どのように、動的分散ライブラリ機構と関連しているのかということについても注目して研究を推進した。
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