初年度は、赤外線通信および無線通信の通信速度・品質、到達距離・範囲、エラーの発生状況等に関し調査を行い、その結果に基づき、シミュレーション環境を構築した。また、開発したシミュレーション環境を用い、アドホックネットワーク構築プロトコル、及びモバイルホスト間の効率的なルーティングプロトコルの評価を行った。 赤外線通信では到達範囲が制限されているため、隠れ端末が一般の電波通信に比べ多く存在する。また、赤外光を遮るだけで通信リンクは切れ、赤外リモコンや日光等による外乱により通信エラーが頻発する状況がある。これらの赤外線通信に特有な問題点を考慮し、効率的な通信、ルーティングを行うプロトコルの開発を行った。 また、アドホックネットワークでは、端末が新たに参加したり、急に退出することが起こる。このような場合、ネットワークでの対応に加え、ネットワークを利用するアプリケーション側での対応が必要となる。例えば、しばらく退出し、改めてネットワークに参加した端末において、効率的にデータを統合する手法について考慮する必要がある。アドホックネットワークにおけるアプリケーションの構築手法についても考慮したプロトコルを考案した。 これらに対応するために、モバイルエージェント技術を導入した。
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