本年度は主に様々な他言語ソフトウェア部品の接続実験を行った。 現在までにできたインターフェースとして次の三つがある。 LablTK Tcl/TKのGUIライブラリとのインターフェースです。実装は前から行われていたが、最近は標準のObjective Camlから利用可能にし、多くの人の反応が得られた。そこでこのライブラリの特徴であるシンタクスの柔軟さの重要性が確認できた。逆によく議論になる型チェックの厳しさは、型安全なインターフェースであることにも関わらず、問題にならなかった。 LablGL OpenGLの3Dグラフィックスライブラリとのインターフェースです。ここでも型安全性が利用を難しくしないことが確認できた。 LablGTK GTK+というGUIライブラリとのインターフェースです。実装を今年度中に行い、オブジェクト指向モデルに基いたライブラリの扱いにくさを実感した。Objective Camlのオブジェクトシステムの複雑さの影響もあるかも知れないが、継承があるが故に、隠蔽が弱くなるなど、型システムだけで安全性が得られにくい。最終的に選んだモデルはオブジェクト指向でありながら、元のライブラリの継承関係を全面的に受け継がないことで安全性と使い易さの向上を計っている。 今年度中に関数型言語Objective Camlとそれに様々な拡張を施しているObjective Labelを合流させる作業も行った。それによって、今回実験のために開発した様々なインターフェースが幅広く利用されることが期待できる。
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