本研究では、多重化された通信路からなる通信ネットワークを対象とし、環境の変化に対して動的に適応可能な最適経路選択法に関する考察をおこなっている。 今年度はネットワーク資源に対する動的割当て問題とその具体的応用としてのマルチプロセッサスケジューリング問題を中心として検討をおこなってきた。具体的には通信路選択問題の一種の双対問題である節点へのラベル付け問題について考察し、グリーディアルゴリズムの性能の理論的解析をおこなった。また通信路での遅延が無視できないネットワーク上でのスケジューリング問題に注目し、遅延による効果をスケジュール長の下界によって示す方法を新たに示した。次年度はこれらの結果をさらに発展させ、具体的な通信アルゴリズムの開発につなげていく予定である。
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